闇組織 「Secret Crisis」

T.消えた存在

 俺は銀色の街で風に吹かれながらビルの屋上に立ち尽くしていた。俺は生きることに疲れていた、もう死にたいんだ・・・。
そう、「俺が死ぬことで哀しむ人なんて誰一人いない」 足は命を落とすことに先急いだ。
そして俺はそこから飛び降りた。体中の力が抜けてまるで浮かんでいるようだ。これが死ぬってことなのか…、俺は恐る恐る目を開いた。
 そこには黒ずくめの女がいた。目鼻立ちがはっきりした顔で、歳は28といったところだ。辺りを見渡してみるとそこはビルから落ちたと思われる位置だった。しかし、身体は無傷だった。俺はすぐに女に詰め寄った。
「な、なんで、俺は無事なんだ!あんた見てたんだろ!?、どうなったんだよ!?教えてくれ!」
女は微笑し云った。「あなたが死にたがっているので、あなたの存在そのものを消してさしあげました。」
「お、おれは・・・俺はどうなったんだ。存在を消したってどういう事だ!」
女は話を続けた。「今のあなたは魂だけの状態です。普通の人間にはあなたの姿を見ることができません。」
俺は問う、「でも、あんたも人間だろ!?」
「もちろんそうです。しかし、私を含めて数人だけは、あなたを見ることができるのです。 ある御方に力を授かっていますので…。また、その御方の力を頂けば一定時間だけ人としての肉体を与えられますが…。」
「そいつはどこに居るんだ!?」俺はすかさず問う。
すると女は返事もなく無言で歩き出した。
俺は何が何だか解らないまま女の後を追った。 

  2.3